第21回 債務超過とは?東京都の産廃収集運搬業許可では決算書のどこを見られる?

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産業廃棄物収集運搬業の許可申請をする場合、法人では直近3期分の決算関係書類を提出します。

必要になるのは、主に次の4つです。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 個別注記表

では、行政は一体どこを見ているのでしょうか。

もちろん、会社がきちんと決算を行っていることの確認もあります。

しかし、それだけではありません。

会社の経営状態も確認されています。

なぜ産廃許可で経営状態を見るの?

産業廃棄物を取り扱う事業者が突然経営難に陥り、

処理されない産業廃棄物がそのまま放置されてしまう。

これは避けなければなりません。

そのため、産業廃棄物処理業の許可では、

継続して適正な事業運営を行うだけの経理的な基礎があるか

という点も確認されます。

つまり、

「この会社なら、産業廃棄物をきちんと扱い続けられるか」

という信用力を、決算書からも確認しているわけです。

特に見るのが「純資産」

そこで重要になるのが、

直近の貸借対照表の純資産合計

です。

純資産がプラスであれば、少なくとも資産が負債を上回っている状態です。

反対に、

純資産がマイナス

になっている場合。

これが、

債務超過

です。

簡単にいえば、

会社が持っている資産よりも、負債の方が多い状態

です。

債務超過なら、すぐ不許可?

ここは誤解しやすいところです。

債務超過だからといって、

それだけで直ちに許可が取れない

というわけではありません。

ただし、東京都では一定の場合に追加資料が必要になります。

たとえば、

直近の決算が債務超過で、さらに直近の法人税の納税額が0円

といった場合には、

「経理的基礎を有することの説明書」

の提出が必要になるケースがあります。

東京都の申請様式にも、この説明書が用意されています。

この説明書、行政書士は書けません

ここが大事です。

この

「経理的基礎を有することの説明書」

は、行政書士が記載者になることはできません。

東京都の様式では、

  • 中小企業診断士
  • 公認会計士
  • 税理士

のいずれかが記載し、その資格を確認できる証明書等の写しを添付することになっています。

つまり、

産廃許可申請そのものは行政書士が扱えても、経理的基礎の説明書については別の専門家との連携が必要になる

ということです。

何を書けばいいの?

この説明書では、主に、

なぜ債務超過になったのか

そして、

どうやって債務超過を解消するのか

を説明します。

東京都の様式でも、

  1. 債務超過に陥った理由
  2. 債務超過から脱するための対策
  3. その対策でどれくらい利益が生じるのか
  4. いつの会計年度に債務超過を解消できるのか

という流れで記載する形になっています。

難しい文章を書けばいいわけではありません

ここで大切なのは、

難しい経営論を書くことではありません。

むしろ、

具体的で、数字が分かりやすいこと

が重要です。

たとえば、

  • 経費削減で年間○○万円改善
  • 売上増加で年間○○万円の利益増加
  • 役員報酬の見直しで年間○○万円改善

など。

それぞれの改善額を積み上げて、

合計で年間いくら利益が改善するのか

を示します。

そして、

現在の債務超過額が○○万円

年間○○万円改善

○年後に債務超過を解消

という形で、

いつ解消できるのかを数字で説明する

わけです。

東京都の様式も、「具体的な対策」「その対策で生じる利益」「全対策による当期利益」「債務超過が解消できる会計年度」を示す作りになっています。

決算書は、ただ添付するだけではありません

産廃収集運搬業の許可申請では、

決算書をただ3期分付ければ終わり、

というわけではありません。

その数字から、

会社の経営状態まで見られています。

特に、

直近の貸借対照表の純資産

は、申請前に必ず確認しておきたいポイントです。

「書類を全部そろえたから大丈夫」

と思っていたら、

最後に債務超過が判明して追加資料が必要になった。

そんなことにならないよう、

決算書は早めに確認しておきましょう。

東京都の収集運搬業の申請では、直近3期分の財務関係書類を含む申請様式・手引きが公開されています。