産業廃棄物の品目を見ていくと、20番目に少し変わったものがあります。
「政令13号廃棄物」
です。
個人的には、
「ちょっとアンタッチャブルなやつ」
と言いたくなるくらい、分かりにくい品目です。
産廃の20品目の中でも、かなり難易度の高い品目ではないでしょうか。
そもそも「政令13号廃棄物」とは?
ここは少しややこしいところです。
政令13号廃棄物とは、
1番から19番までの産業廃棄物を処分するために処理した結果、元の1~19のどの品目にも当てはまらなくなったもの
をいいます。
代表的なものが、
コンクリート固型化物
です。
たとえば、汚泥などをそのままでは処分しにくいため、セメントなどを使って固型化することがあります。
その結果、もともとの「汚泥」とは別の状態になり、既存の産業廃棄物の品目にも当てはまらなくなる。
そこで登場するのが、
政令13号廃棄物
というわけです。
なぜ難易度が高いのか?
産廃収集運搬業の許可申請では、
「何を運ぶのか」
だけではなく、
「どうやって安全に運ぶのか」
まで考えなければなりません。
飛散しないか。
流出しないか。
悪臭が出ないか。
廃棄物の性状に応じた運搬容器を用意する必要があります。
東京都の手引きでも、
汚泥ならオープンドラム、
廃油ならクローズドドラム、
廃酸・廃アルカリならケミカルドラム、
といったように、廃棄物の性状に応じた運搬方法が示されています。
ですから、何でも広く取り扱おうとすればするほど、
準備する運搬容器も増えていく
ことになります。
ここが許可申請の難しいところです。
しかも東京都では、単に
「必要になったら買います」
ではダメです。
運搬容器については、申請者が実際に所有していることが分かる写真を提出する必要があります。インターネットから拾ってきた容器の写真では認められません。
そこで「限定」という考え方
ただし、取り扱う産業廃棄物の範囲を限定することはできます。
たとえば政令13号廃棄物でも、
「コンクリート固型化物に限る」
とする方法です。
こうして実際に取り扱うものを明確にしておけば、それに合わせて必要な運搬方法を考えることができます。
何でも運べるように準備するのではなく、
実際の事業内容に合わせて許可の範囲を設計する
ということですね。
これは他の産業廃棄物でも同じです。
たとえば、
動植物性残さ(食品残さに限る)
など、取り扱うものを限定して申請するケースがあります。
許可品目は、
「多ければ多いほどいい」
というものではありません。
何を実際に扱う予定なのか。
そのためにどんな車両・容器が必要なのか。
ここまで考えて申請する必要があります。
ただし「あとから限定を外す」とお金がかかる!
ここは非常に重要です。
最初は、
「限定あり」
で許可を取った。
ところが後になって、
「やっぱり限定を外して、もっと広く取り扱いたい」
となった場合。
これは単なる変更届ではありません。
事業範囲を拡大する「変更許可申請」
になります。
東京都の手引きでも、
「汚泥(石綿含有産業廃棄物を除く)」から「汚泥」にするような限定の解除は変更許可が必要
と明記されています。
そして東京都の産業廃棄物収集運搬業の変更許可申請手数料は、
71,000円
です。
ですから、
「とりあえず限定を付けておけばいいや」
とも言い切れません。
将来どんな仕事を受ける可能性があるのか。
そのための運搬容器を現在用意できるのか。
変更許可の費用まで考えるのか。
ここまで考えたうえで、許可品目を決める必要があります。
政令13号廃棄物は、まさに「難易度高め」
政令13号廃棄物。
名前からして分かりにくいですよね。
しかも、
「13番目の産業廃棄物」
という意味でもありません。
産業廃棄物20品目の20番目に登場するのに、
名前は、
「政令13号廃棄物」
です。
初めて産廃許可を扱う方が、
「なんで20番目なのに13号なの?」
と思っても無理はありません。
これは「廃棄物処理法施行令第2条第13号」に規定されていることから、そう呼ばれています。
産廃許可申請では、
単にチェック欄に○を付ければいいわけではありません。
何を運ぶのか。
どのような状態のものなのか。
どんな容器で運ぶのか。
そして、
本当にその品目を取る必要があるのか。
ここまで考える必要があります。
政令13号廃棄物は、そのことがよく分かる品目だと思います。
産廃の許可申請、なかなか奥が深いですよね。
