【あと7日!】特定行政書士試験直前シリーズ① 行政指導の中止等の求めと処分等の求め、ここをごっちゃにすると危険!

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特定行政書士試験まで、いよいよあと7日!

今日から試験直前まで、毎日ブログを書いていこうと思います。

題して、

「ズバリ!ここがごっちゃになったままだと危険!」

行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法。

似たような言葉や制度がたくさん登場します。

勉強していると、わかったつもりになっていても、いざ問題を解いてみると、

「あれ? これってどっちだったっけ?」

となることがあります。

そこで、私自身が混同したところ、疑問に思ったところを、毎日一つずつ整理していくことにしました。

アウトプットすることで、インプットを強化する!

そんな試験直前の7日間です。

その前に!行政指導と不利益処分って何が違うの?

ここで、ちょっと寄り道です。

そもそも「行政指導」と「不利益処分」は何が違うのでしょうか?

一般の方からすれば、

「行政指導? 不利益処分? どっちも役所から怒られることでしょ?」

ですよね(笑)。

でも、法律上は大違いなんです。

例えば、深夜の騒音が問題になっている飲食店があったとします。

【行政指導の場合】

行政庁「深夜の騒音を改善してくださいね」

これは、原則として相手方の任意の協力を求めるものです。

行政指導そのものには、法的な強制力はありません。

つまり、行政指導に従わなかったという理由だけで、不利益な取扱いをすることは許されません。

【不利益処分の場合】

行政庁「法令に基づいて、営業時間の制限を命じます」

こちらは、単なるお願いではありません。

法令に基づいて、相手方に義務を課したり、権利を制限したりするものです。

従わなければ、法令に基づくさらなる措置や罰則などにつながる場合もあります。

※ここでは、営業時間の制限を命じることができる法令上の根拠がある場合を想定しています。

どうでしょうか?

同じように行政庁から注意を受けているように見えても、

行政指導は「お願い」

不利益処分は「法令に基づく命令など」

という大きな違いがあるのです。

もちろん、行政指導だからといって、法令違反を放置してよいという意味ではありません。

実際に法令違反があれば、それを理由に適法な処分が行われる可能性があります。

この違いがわからないと、これから登場する行政手続法36条の2と36条の3なんて、何を言っているのかさっぱりですよね(笑)。

私自身も、勉強を重ねて、ようやくこの違いがはっきりと理解できるようになってきました。

それでは、本題に入りましょう!

今日のテーマは「行政指導の中止等の求め」と「処分等の求め」

行政手続法には、非常によく似た名前の制度があります。

  • 第36条の2「行政指導の中止等の求め」
  • 第36条の3「処分等の求め」

名前は似ていますが、向いている方向がまったく違います。

具体例で考えてみましょう。

① 近隣住民「深夜の飲食店の騒音を何とかしてください!」

ある飲食店が、深夜まで大きな音を出して営業しているとします。

近隣住民は困っています。

「夜遅くまで音が響いて眠れません。行政で調べて、必要な対応をしてください!」

これが、行政手続法36条の3の「処分等の求め」を考える場面です。

この制度は、何でも行政にお願いできるというものではありません。

法令に違反する事実があり、その是正のためにされるべき処分や行政指導がされていないと思う場合に、法定の要件を満たす申出をする制度です。

つまり、

「行政庁さん、法令違反があるなら必要な処分や行政指導をしてください!」

という制度です。

なお、騒音の規制内容や行政指導の根拠は、地域の条例や個別法令によって異なります。以下では、法律に根拠規定のある是正の行政指導が可能な架空の事例を想定します。

② 行政庁「それでは行政指導を行います」

住民からの申出を受け、行政庁が調査を行いました。

その結果、飲食店に対して、騒音に関する法令違反の是正を求める行政指導を行ったとします。

ところが、飲食店の経営者は反論します。

「いやいや! うちは法令を守って営業していますよ!」

このとき問題になるのが、行政手続法36条の2の「行政指導の中止等の求め」です。

法律に根拠規定のある、法令違反行為の是正を求める行政指導について、その行政指導が法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、原則として中止その他必要な措置を求めることができます。

つまり、

「行政庁さん、その行政指導は法律上の要件を満たしていません。やめてください!」

という制度です。

ただし、どんな行政指導でも中止を求められるわけではありません。

また、中止等を求めたからといって、必ず行政指導が中止されるわけでもありません。

行政庁は必要な調査を行い、法律に規定する要件に適合しないと認めるときに、中止その他必要な措置をとることになります。

③ では、行政指導ではなく「処分」が予定されている場合は?

ここが今日の最大のポイントです。

行政庁が行政指導ではなく、法令に基づく不利益処分を行おうとしているとします。

飲食店の経営者は、

「違反なんてしていません! 処分をやめてください!」

と考えています。

では、36条の2の「行政指導の中止等の求め」を利用できるでしょうか?

答えは、できません。

なぜなら、36条の2が対象としているのは、一定の行政指導だからです。

これから行われる不利益処分そのものについて、その中止を求める制度ではありません。

ここをごっちゃにすると危険です!

④ 処分前なら聴聞や弁明、処分後なら審査請求や取消訴訟

不利益処分を行う場合、原則として、処分の種類に応じて聴聞または弁明の機会の付与が必要になります。

例えば、営業許可を取り消すような場合には、原則として聴聞の手続が必要です。

ただし、騒音に関する規制では、必ずしも営業許可取消しという処分が予定されているわけではありません。実際にどのような措置が可能かは、根拠となる法令によります。

事業者は、適用される手続の中で、

「法令違反はありません!」

と反論することができます。

そして、実際に処分が行われた後は、審査請求や取消訴訟などで争うことが考えられます。

必要な要件を満たせば、執行停止の申立ても検討できます。

ここで重要なのは、処分が行われる前と後では、利用する制度が違うということです。

⑤ ところで、行政指導に聴聞や弁明なんてあるの?

勉強していて、私はもう一つ疑問に思いました。

36条の2には、行政指導について、相手方が弁明その他意見陳述のための手続を経た場合の除外規定があります。

しかし、行政指導は不利益処分ではありません。

行政手続法13条の聴聞や弁明の機会の付与は、不利益処分のための制度ではないのか?

そのとおりです。

ただし、行政指導についても、個別法などに基づいて、事前に相手方の意見を聴く手続が設けられる場合があります。

36条の2は、行政指導の相手方がそのような法定の意見陳述手続を経た場合には、中止等の求めの対象から除外しています。

つまり、行政指導そのものに13条の聴聞・弁明が義務付けられているという意味ではないのです。

なるほど!

ここも、ごっちゃにしてはいけないところでした。

⑥ そもそも行政指導は任意では?

ここで、もう一つ大切なことがあります。

行政指導は、相手方の任意の協力によって実現されるものです。

行政手続法32条2項では、行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならないと定めています。

つまり、行政指導を受けたからといって、必ず従わなければならないわけではありません。

もちろん、実際に法令違反がある場合には、その違反を理由として適法な処分が行われる可能性はあります。

「行政指導に従わなかったこと」と「法令に違反していること」は、区別して考える必要があるのです。

今日のまとめ

36条の2は「行政指導をやめて!」

36条の3は「処分や行政指導をして!」

そして、

処分前は聴聞や弁明などで反論。処分後は審査請求や取消訴訟で争う。

この違いをしっかり理解しておきたいと思います。

試験直前だからこそ、曖昧な理解を一つずつ解消していく。

自分の言葉で説明してみると、理解できていなかった部分が浮き彫りになります。

これがアウトプットの力ですね!

特定行政書士試験まで、あと7日。

明日も「ごっちゃになったままだと危険な論点」を取り上げます。

受験される皆さん、一緒に頑張りましょう!

※本記事は試験学習のための架空の事例による解説です。具体的な案件では、適用される法律・条例や各制度の要件を確認する必要があります。