特定行政書士試験まで、あと6日!
昨日から始めた「ごっちゃにするとヤバい!」シリーズ。
今日は、スター勢揃い版です!(笑)
試験勉強を究極まで突き詰めると、結局のところ、「横断整理」。
この一言に尽きるのではないかと思っています。
ひとつだけなら覚えられるんです。
ところが、そこに場合分けが入る。
さらに、
- 行政手続法
- 行政不服審査法
- 行政事件訴訟法
という3つの軸が入ってくる。
そこへ行政指導なんかも顔を出したりする。
そして、見事にごっちゃになるわけです!(笑)
行政書士試験のときは、意味がよくわからなくても丸呑みして、暗記で乗り切った部分もあったかもしれません。
でも、特定行政書士試験は、そんな勉強ばかりしなくてもいいのではないかと思っています。
なぜ、そうなっているのか?
その意味や理由から理解すれば、もちろん暗記が必要な部分は残りますが、覚える負担はぐっと減らせるはずです。
今日は、そんな横断整理を一気にやってみます!
① 裁決か、決定か、判決か
まずは簡単なところから。
| 手続 | 結論 |
|---|---|
| 審査請求 | 裁決 |
| 再調査の請求 | 決定 |
| 再審査請求 | 裁決 |
| 行政事件訴訟の本案 | 判決 |
覚え方は、
「審査は裁決、調査は決定、裁判は判決!」
これだけです。
ただし、裁判所が行う執行停止の判断は「決定」です。
「訴訟だから何でも判決」と覚えると、ここで引っかかります。
② 審理員はいるのか、いないのか
これも似た理屈で整理できます。
| 手続 | 審理員 |
|---|---|
| 審査請求 | 原則いる |
| 再調査の請求 | いない |
| 再審査請求 | 原則いる |
「審査と付いたら審理員。調査にはいない」
こう覚えると簡単です。
ただし、行政委員会等が審査庁になる場合など、審理員を置かない例外もあります。
さらに、審理員と行政不服審査会等への諮問は別問題です。
再審査請求では、原則として審理員による審理はありますが、行政不服審査会等への諮問はありません。
「諮問は『再』なら無し!」
- 審査請求 → 行政不服審査会等への諮問は原則あり
- 再調査の請求 → 諮問なし
- 再審査請求 → 諮問なし
つまり、「再」が付いたら諮問なし!
ここも横断整理ですね。
③ 3か月か、1か月か。これも丸暗記しない!
期間の数字、これもごっちゃになりますよね。
でも、私はこう整理しています。
裁判所は6か月。
取消訴訟の出訴期間は、原則として処分・裁決を知った日から6か月です。
「あれ? 行政不服審査法は翌日からなのに、行政事件訴訟法は当日から?」
ここも面白いところです。
実は、期間計算には初日不算入という原則があります。
したがって、通常は取消訴訟も知った日の翌日から数えることになります。
ただし、条文の書き方は違いますし、初日不算入にも例外があります。そこは押さえておきましょう。
最初の不服申立ては3か月。
審査請求も、再調査の請求も、原則として処分を知った日の翌日から3か月です。
そして、2回目の不服申立ては1か月!
再調査の決定を受けてから審査請求する場合は、決定を知った日の翌日から1か月。
再審査請求も、原裁決を知った日の翌日から1か月です。
「再審査」って、文字どおり、もう一度審査するということですよね。
だから、2回目は1か月!
どうでしょう?
「裁判所は6か月、行政への初回は3か月、再調査後の審査・再審査は1か月」
覚えることが、ぐっと減ったでしょう!(笑)
もちろん、これは原則的な主観的期間についての覚え方です。
客観的期間、正当な理由による例外、個別法の特例などは別途確認が必要です。
また、審査請求の裁決を経て取消訴訟を提起する場合は、原則として裁決を知った日から6か月です。
「2回目なら何でも1か月」という意味ではありません。
そして、もうひとつ!
「知った日」は3か月・1か月・6か月。でも「処分・裁決があった日」は1年!
審査請求、再調査の請求、再審査請求、取消訴訟。
いずれも、原則として客観的期間は1年です。
つまり、
「あった日は全部1年!」
これで期間の整理も、ずいぶん楽になりますね!(笑)
④ 「申立てにより、又は職権で」も丸暗記しない!
これも、理屈から考えてみましょう。
まず、執行停止です。
職権で執行停止できるのは、処分庁自身か、その上級行政庁が審査庁の場合。
自分がした処分なら、自分で止める判断ができる。
自分の上司なら、部下の処分を止める判断ができる。
でも、上司でもない別の役所から、いきなり、
「おい、その処分、やめろ!」
なんて言われたら、おかしいじゃないですか!(笑)
だから、処分庁でも上級行政庁でもない審査庁は、職権では執行停止できません。審査請求人からの申立てが必要です。
裁判所による執行停止も、申立てが必要です。
一方で、証拠調べや審理員による調査はどうでしょう?
これは職権でもできた方がいいですよね。
審理員が、
「この書類がないと事実関係がわからないな」
と思ったときに、自分から資料の提出を求められた方が、適切な審理につながります。
裁判所だって同じです。
行政不服審査法では、審理員が職権で物件の提出を求めることなどができます。
行政事件訴訟法でも、裁判所は職権で証拠調べができます。
つまり、
執行停止は、誰が処分を止める権限を持つのか。
証拠調べや審理員の調査は、事実を正しく調べるために必要なのか。
この違いを考えれば、丸暗記する量がぐっと減ると思いませんか?
もちろん、職権でできる行為の範囲は、それぞれの法律の規定によります。
でも、理由がわかっていれば、条文もずっと覚えやすくなるはずです!
⑤ 書面シリーズは3つ! 理由・教示・行政指導
書面が必要なのか、口頭でもいいのか。
これもごっちゃになりやすいところです。
でも、まずは3つに分けましょう。
理由提示は、WHY?
「なぜ、その処分をしたのですか?」
教示は、WHEN? WHERE?
「不服があるなら、いつまでに、どこへ申し立てればいいのですか?」
行政指導は、WHAT?
「何をしてほしいのですか?」
まずは、これで整理!
次に、書面が必要かどうかを考えます。
処分を書面でするなら、理由も原則として書面で示す。
不服申立ての教示も、原則として書面。ただし、口頭でする処分には例外があります。
行政指導は、口頭でもできます。
例えば、
「はい、これどけてください」
と言われて、その場でどけて終わり。
こんな行政指導について、いちいち書面を交付しなければならないとしたら、大変ですよね!(笑)
行政手続法35条にも、その場で完了する行為を求める行政指導について、書面交付義務の例外が設けられています。
ただし、ここで一つ注意!
口頭で行われた処分でも、利害関係人から書面による教示を求められたら、書面で教示しなければなりません。
口頭処分だから何でも書面不要、というわけではないんです。
つまり、
理由はWHY、教示はWHEN・WHERE、行政指導はWHAT。
そして、書面の要否は、それぞれの条文で判断する。
これなら、ずいぶん整理できると思いませんか?
なお、行政手続法でも、理由提示の方法は申請拒否処分と不利益処分で規定が異なります。
行政指導についても、相手方から書面交付を求められた場合の規定がありますが、口頭の行政指導に関する例外などがあります。
同じ「書面か口頭か」でも、どの法律の、どの手続の話なのかを見極めましょう。
⑥ だから、暗記よりも「なぜ?」を考える
ここまで見てくると、気づくことがあります。
「裁決」「決定」「判決」
「審理員がいる」「いない」
「3か月」「1か月」「6か月」
「申立て」「職権」
「書面」「口頭」
これらは、それぞれ独立した知識のように見えます。
しかし、実際には、手続の目的や行政機関の権限、当事者の権利保障という考え方でつながっています。
なぜ審理員が必要なのか。
なぜ職権でできる場合とできない場合があるのか。
なぜ口頭でもよい場合があるのに、書面が必要になる場合もあるのか。
そこを理解していけば、丸暗記する量は減らせるのではないでしょうか。
もちろん、条文の数字や期間など、最後は覚えるしかない部分もあります。
でも、意味がわかってから覚えるのと、意味がわからないまま覚えるのとでは、ずいぶん違うと思うのです。
試験まで、あと6日。
残された時間は限られています。
だからこそ、ひとつひとつをバラバラに覚えるのではなく、横断的に整理していきたい。
今日は「ごっちゃにするとヤバい!」シリーズ、スター勢揃い版でした!
さあ、あと6日!
一緒に頑張りましょう!
